８月４日：祈り

宗教心の薄い日本に生まれ、
戦争も飢饉もなく、平和で安全な日本で、
どれほど真剣に祈ったころがありますか？

私は神社が好きです。
毎日祈ることを強制しないし、
願い事がある時に、気が向いたときに行くだけで、
罪悪感も、責任感も、圧迫感もないし
神社に出向いてまで祈るときは、自分もそれだけかなえる気力があるもので、
だいたい願ったことは今までかなってきてるから。

心配で、不安で、怖くて、悲しくて、いてもたってもいられない
そういったら、カウンセラーが私の宗教心について聞いてきたのでびっくりした。
精神科医でしょ、科学じゃないの？祈る前に分析してよ、科学で治してよ
と一瞬かなりひきました。今更、キリスト教になって教会に行けなんていわないで。

でも、心配で、不安で、怖くて、悲しくて、いてもたってもいられない
頭の中でなにを考えているのかわからなくなったときに、
一日に決められた時間内に、それを口の中で言葉にして祈ってみた。
「神様、仏様、この世を見守る全ての方々にお願いします」
そう思ってから頭の中のごちゃごちゃを祈りにしてみる。
そうすると、なにか神聖なことをしているみたいで、
ごちゃごちゃ考えてるのと違って鋭く、フォーカスされた思いになる。
誰かが聞いてくれるかもしれないと思うと、なにを一番願いたいのか、集中して考えられる

世界平和や、アフリカの子供たち、たくさんの人達の幸せを思って向けられた願いじゃないから
プライオリティーは低いかもしれないけれど、どこかの妖精や、天使のちっこいのか、
誰かが聞き入れて味方になってくれるかもしれない、お願いします
私だけに向けられた、二人の幸せだけの小さな願いだけど、だれか聞いてください。

募金も、罪意識も、罪の告白も、ミサも、おみくじも、なにもない私だけの小さな儀式
昔からこうして祈ってきた人達はたくさんいるだろう
考えられない間、こうしている間も、全ての生きた人々は、
だれか大事な人や、大好きな人を失い、そして自分たちも死んでいったのだから
今までこんなこと考えてもみなかった。
この地球に存在した生き物はみんなこうして生まれて生きて死んでいったのだから
このすばらしい瞬間を、この大好きな人達との、この幸せをどうにか長続きさせてください
その思いを、その祈りを形にしたものが、
現在私たちが楽しんでいる絵画、音楽、劇、物語、建築、なんではないかしら

人々は、ごてごてしい、すんばらしい、きんきらきんの教会も作ったけれど
私たちの毎日のこうした小さな祈りはもっともっとたくさんのきらきらしたものを生み出しているはず
そう考えると、宗教に属さない私も、人類の永遠の祈りの一部に加わって永遠に続く祈りを唱える

大好きな人を助けてください、いつまでも一緒にいさせてください
私たちの時間を奪わないでください、この幸せをできるだけ長引かせてください